本日は移動平均線乖離率を利用したい、または利用されている方に向けて使えるツールをご紹介します。
デイトレードやスイングトレード、または中長期などの投資においても使えます。
移動平均乖離率 Moving average deviation rate
結論から言いますとTradingView(トレーディングビュー)のMoving average deviation rateというツールになります。
Moving average deviation rate 解説
移動平均かい離率と、2σのバンドです。
ボリンジャーバンドは移動量の標準偏差を描画しますが、終値はボリンジャーバンドに対して正規分布を描きません。
移動平均かい離率は、標準偏差に対して正規分布を示します。かい離率2σを超えた場合、トレードチャンスです。
上記が作成者の解説になります。
正規分布とは、わかりやすい例でいえば身長などです。
現在日本人の平均身長は男性約170cmですが、これが140cmや200cmなどであると少ない値になり170cmに近づくにつれて山なりになるように数が多くなります。
ここで解説している2σのバンドとは、正規分布に当てはめて約95%の確率で値が収まるラインのことです。
このラインを超えれば約5%の確率で起こる少ない値、つまり異常値であると認識することになります。
ボリンジャーバンドと移動平均乖離率の違い
ボリンジャーバンドは移動量の標準偏差を描画しますが、終値はボリンジャーバンドに対して正規分布を描きません。
移動平均かい離率は、標準偏差に対して正規分布を示します。
ボリンジャーバンドも移動平均乖離率も2σのバンドの表示はありますが
ボリンジャーバンドを使用する場合バンドに対して終値との位置関係で判断します。
終値の最低値は0で上限はなく身長のような中央値も存在しません。そのためバンドに対して正規分布を描きません。
一方で移動平均乖離率の場合は移動平均線を中央値として乖離率だけを表記しているため、この場合は標準偏差に対して正規分布を描きます。(乖離率は移動平均線に近づこうとする)
・ボリンジャーバンドは終値に対して正規分布を描かない。
・移動平均乖離率は標準偏差に対して正規分布を描く。
一般的な移動平均乖離率とMoving average deviation rateの違い
個々の銘柄が持っているボラティリティに対して異常な乖離率かどうかが見ただけでわかる点にあります。
どういうことか。
一般的な移動平均乖離率は+10%+20%、-10%-20%などの表記しかなく、個々の銘柄自体が持つボラティリティがその価格に対して異常な値かどうか判断しづらい点にありました。
時価総額の高い大型銘柄と時価総額の低いグロース銘柄とでは、ボラティリティの違いにより適正な乖離率もかなり違ってきてしまいます。
しかし一方でMoving average deviation rateの方は一目見ただけでわかるようになっています。
画像でいうと下の部分が移動平均乖離率Moving average deviation rateです。
赤になっているところが+乖離で2σを超えた箇所。
緑になっているところが-乖離で-2σを超えた箇所。
乖離のきつい部分を色で判定してくれるので誰にでもわかるツールになっています。
TradingView(トレーディングビュー)の設定
改めて、利用するにはTradingView(トレーディングビュー)というプラットフォームを利用します。
高度な機能がついたサービスを利用する場合は有料になりますが、通常利用であれば無料で使えます。
もちろん今回紹介している移動平均乖離率Moving average deviation rateも無料で使えるものなので安心して下さい。
サイトに飛んだらこのような画面が出ます。(※既に会員に入っている場合は読み飛ばして下さい)
ページの画像やデザインは変更になる可能性はありますが、右上の「始めましょう」をクリックして
「登録」をクリックします。
Googleアカウントがある方は「Googleでログイン」を押して新規登録が可能です。
Googleアカウントが無ければその下にある「Eメール」から新規登録を進めてください。
移動平均乖離率Moving average deviation rateの設定
ログイン出来たら、最初の画面で上部にあるプロダクトのタブからスーパーチャートを選択します。
スーパーチャートが開けたら、上部にあるインジケーターをクリックします。
ここに出てきた検索窓に「Moving average deviation rate」と入力します。
検索結果から一番上の項目を選択します。
チャート下部に移動平均乖離率Moving average deviation rateを設定することができました。
移動平均線本数と標準偏差のカスタマイズ
移動平均乖離率Moving average deviation rateの移動平均線の本数の初期値は21でこのままでも使用できますがカスタマイズする方法を説明します。
移動平均乖離率Moving average deviation rateの線上をダブルクリックすると設定画面が表示されます。
こちらでMoving average period(移動平均線終値本数)の項目を自由に設定することができます。
一般的には短期5、中期25、長期75or200、がよく証券会社のチャートソフトに使われていますが、個人的には中期でよく使われている25を設定しています。バランスが良いので。
この辺りは好みの問題になるのでご自身で自由にカスタマイズして下さい。
そしてすぐ下にあるNumber of Std Deviationsは標準偏差のσ(シグマ)のことでバンド幅の項目です。
数字が大きければ幅も広くなりチャンスを絞ることができますが、通常利用の範囲であれば初期値である2もしくは3をお勧めします。
1σは約68%、2σは約95%、3σは約99%の確率で範囲内に収まるといわれていますので、こちらを理解した上で設定して下さい。
すべて変更し終えたらOKボタンをクリック。これで設定は完了です。
(※スタイルと可視性は特に変更の必要はありません)
スキャルピングトレード、デイトレード利用での注意点
スイングトレードや中長期トレードではなく、デイトレードやスキャルピングトレードで移動平均乖離率Moving average deviation rateを利用する場合は注意する必要があります。
なぜかというと、TradingViewのチャートは有料版に加入した上でリアルタイムデータを購入していなければ20分の遅延が発生するようになっているからです。
有料版の一番安いプランがEssentialプランで月額が12.95ドル(※2024/4時点)
リアルタイムデータが株であれば月額が3ドル(※2024/4時点)
現在合計で月額15.95ドル必要になってきます。
有料プランのお試し30日間無料があるので、そちらに加入した上でリアルタイムデータだけ購入して使えるか検証してみるのもアリだと思います。
まとめ
今回はTradingViewの移動平均乖離率Moving average deviation rateを紹介しました。
今まで使っていた移動平均乖離率よりも判断がしやすく、また個々の銘柄ごとのボラティリティにあった乖離率が見えるので初心者の方にも特におすすめです。
どのツールでも同じですが、一度ご自身で使えるか検証してみて使えそうだと思えたときに是非導入を検討してみて下さい。
新しい結果が得られるかもしれませんよ。
移動平均線乖離率を利用したオリジナル手法
※追記
こちらはオリジナル手法を用いた手法データをつくりました。
検証する自立したトレーダーであれば優位性がどこにあるかわかるようになっています。
もしよければ見ていって下さい。